堤幸彦監督作品「溺れる魚」を見る。ビミョーにつまらない。「ケイゾク映画」といいこの作品といい、好き勝手やった結果ダメになったという印象がある。ドラマだと時間の制限もあって演出もこぎみ良く決まるのだが、映画だと時間があまって冗長になっている上に脚本力も弱い。演出とか要素に気を取られて物語がいい加減になってしまっている。話がダメだと何をやってもダメなんだから、もっと物語を大切にしてほしい。



映画版「薔薇の名前」を見る。京極夏彦の「狂骨の夢」の元ネタ(という紹介はどうかと思うが)。さすが名作と呼ばれる話だけあって、展開も見事だし終わり方も良さげ。ただ、見た感想がどうしても「本がもったいない」になってしまうのは困ったもんだ。語り手であるメルクよりもウィリアムの方に感情移入してしまうというのは間違っている気もするが。