働く女性の7割、第1子出産後に仕事辞める」という記事。フェニミズム運動が盛んだったころ、女性が会社でなかなか上役に付けないということが問題になっていた。前に「会社側からすれば結婚や出産で辞める可能性が高い女性社員を責任ある役職に付けないというのは合理的な行動なんじゃない」と言ったら、「それは差別だ。アメリカを見ろ」と言い返されたことがある。その後、アメリカでは女性に辞めさせないために早く役職に就けるという話をきいてなるほどと思った訳なのだが、先日のCBSドキュメントを見ていたら社会的な地位を確保するために出産を遅らせ妊娠適齢期を逃してしまったことを後悔している女性が多いという話を放送していた。
どちらにしろ会社は女性をどう待遇すべきかという問題になるわけだが、重要なのは日米のどちらにおいても、現実は「会社の利益」を基準に動いていて「差別」によって動いているわけではないという点である。世の中、公害、女性問題、そして今の銀行への公的資金導入と「善悪」という切り口で語られすぎてはいまいか。たとえ「善かれ」と思って政策を行っても、結果的には「生産性の低下」「女性の失業者の増加」や「不況」になってしまっては意味がない。……そういうことを教えてくれる意味でも経済学というのは面白い学問だと最近つくづく思う。