貧乏金なし



ノーベル賞経済学者に学ぶ現代経済思想」という本を読んでいたら、以前書いたのとは別の観点から「金持ちから搾取すべき理由」が書かれていた。これを説明するには限界効用という概念が必要である。限界効用とは、「物を余計にひとつ貰ったときの嬉しさ」のことを言う。なんでこれを限界効用と呼ぶのかと不可思議に思う人もあると思うが、実のところ単に訳が悪いだけ。英語では「marginal utility」と言う。このmarginalは印刷するときに出てくる余白のマージンの形容詞形であり、その意図をくめば「増分効用」とでも訳すべきだろうか。
で、この限界効用は、物を余計に増えるにつれて下がるという性質がある。これは、そういうデータがあることを示さなくとも、腹減ったなあと思っているときにマックバーガーを一個もらうのと、すでに目の前に128個のマックバーガーが詰まれている時にさらにマックバーガーを差し出されるのとでどちらが嬉しいかを考えれば、まあ当たり前の話である。
しかし、この限界効用の性質を認めると面白いことがわかる。すなわち、金持ちにとっての一万円と貧乏人にとっての一万円はその嬉しさが違うのである。例えば、この嬉しさを1:100だと仮定すると、金持ちから一万円搾取することで貧乏人百人に同じだけの幸福を分け与えることができる。この時、全体の幸福量は百倍になるわけだから、金持ちを搾取することによって幸福の総量は増大することになるのである。わはははは、奪え。奪うのじゃ。金持ちからすべてを奪うのじゃ〜。
……落ち着け>自分

昔、サークル向けに書いた小説「」を公開。さらに何のサイトなのかわからなくなってきた。