宝くじに託す夢》一枚300円の宝くじの期待値は、150円弱だそうで。まあ、国家的サギみたいなもんだな。個人的には、想像してたより全然高いんだけど、返金率50%ではパチンコとか競馬の方がよっぽど健全と考えることはできるわけで、世間様が思っている「ギャンブルばかりやりやがって」という言葉ってのは単なる偏見なんではなかろうか。
経済学的に考えると「自宅を持つ」とか「子供を産む」というのは、極めて高いリスクを持つ行為である。自宅は10年で0円になるし、資産としての土地が持つリスクがいかに大きいかというのはバブル以後の地価の下落からも明らか。子供の養育費は、ほっぽり出して出稼ぎさせられる昔ならいざ知らず、現代においては一人あたり2000万円程度がかかると算定されている。老後にこの2000万以上の幸せを返してくれるのかどうか、と考えるとこれもギャンブル以外のなにものでもない。
と考えると、自宅を買い、子供を産み、年末には宝くじを買って3億円を楽しみにするという一般的に幸せな家庭と言われている生活を営んでいる人々というのはとんでもないギャンブラーであると言うことができる。
とはいえ、この話は逆に捉えることもできる。ようするに「幸せな家庭」を営んでいる人というのは、そんな高いリスクとコストすらもカバーするほどに裕福だからこそ幸せなのである。これを勘違いして子供や家族なんて持ってしまうと大変なことになる……と私は考えるのだが、まあ人の趣向というのはいろいろあるので、最終的には人それぞれの話ということにはなるのだろうけど。