日銀総裁、量的緩和継続を強調》「インフレ・ターゲットに準ず」と言いながらデフレにコミットメントするのは如何なものか。まぁ、インフレターゲットという言葉が段々と禁句にならなくなって来たのはいいことだ。前例からすると、このままなし崩し的にインタゲする可能性もあるからな。



ちかくのCD屋が閉店するらしく「全品3〜5割OFF」と書いてあるのだが、その下に当然のように「CDは除く」と書かれていたりする。そりゃあ、再販制ものだから当然なんだが釈然としないぞ。

乳の詫び状(2004/05/19)より

経済現象は量子現象より複雑。量子力学が到達しているレベルより、ずっと高度な数学を開発する必要がある。数学は人類がもっているもっとも明瞭な言葉だから、それで書けないなら科学にはならない。
ダウト。たとえ個々がランダムな動きをしても、集団になればそれらのランダムな動きは消滅して共通の特徴だけが抽出できる……ってのは工学屋なら当たり前の話。量子コンピュータアルゴリズムにもこの手の話はあったはずだけどなぁ。たとえ人間が複雑な生命体でもマクロで見ればさほど複雑でなくとも不思議じゃない(どちらかと言えば問題となるのは母集団の数の少なさだろうな)。
で、実際経済学の教科書は数式だらけなんだが、中村さんは一体どんな本を読んだんだろうなぁ。スティグリッツの入門経済学だって数式の一本や二本は載っていたはずだが。
だいたい一見複雑に見える現象が実は簡単な数式で表せるというのを最初に打ち立てたのが物理学でしょうに。森だろうが水だろうが人間だろうが、すべてが原子なり量子なりとその相互作用によって成り立ち、しかも少数の数式で表現できてしまうということは受け入れながらも、経済学がその枠組みに収まらないと主張する思考が私には理解しかねる。
私は中村正三郎という人は割と尊敬しているのだけど、とはいえこの経済学に関する発言は酷すぎる。無知を通り過ぎてただのトンデモじゃないか。しくしく。

それにしても経済学の嫌われっぷりというのには、すごいものがある。山形浩生がインタゲ本の中で「各種の議論も、批判に対する反論も、ほとんど一ヶ月以内で日本語化されていった。そこまでやってあげれば、自然にそこでの議論は広まり、そこを出発点としてもっときちんとした議論が生じるであろう、とその物好きは期待していたらしい」などと書き、その理由を世間のITオンチっぷりのせいにしていたが、どうもそうではないようだ。IT技術が問題ならオタクやIT技術者などはリフレ派になってしかるべきだが、実際はむしろその逆のようだし……