クレクレ厨

某所で山形氏曰く、

ガーナ山奥から首都に戻ったら、内藤氏が見事なクレクレ厨化している!

内藤氏は専門で食っている人間なのだから攻められても仕方ない面もあるのだが、一般論として人は全知全能ではないのだから、ある分野において人を上回る知識があるからと言って、他のすべての分野でも十分な知識があるとは限らないわけことを考えるとクレクレ厨化してしまうのは仕方のないことではないだろうか。アインシュタインだって旋盤の使い方の知識に関しては工業高校の生徒にすらかなわない。

逆に、相手をクレクレ厨化してしまうような説明の仕方にも問題はあるとはいえないだろうか*1。一問一答に一ヶ月程度の時間をかけられるのであれば、不勉強をなじることは当然であるが、説得と言うものはそもそもそのように行われるものではない。討論であれば、お互いが事前準備を行ったうえで行われることもあろうが、ブログで始まる議論は突発的なものであり、概ねその時点での知識に縛られることになる。

論争相手がなぜクレクレ厨化しているのかを考えれば「あの人はなぜ私の見解を批判し、自分の意見が正しいと言うのだろうか」という疑問に満ちているためであろうことは明らかなのだから、単にその回答を与えてあげれば良いと思うのである。知識の獲得にはコストがかかるが、その知識を相手に披露することにそれほどコストがかかるわけではなし、しかも自説を用いて相手を説得しようとしているわけだからそれぐらいの事は心がけるべきではないだろうか。

説得の材料に必要な背景知識を与えてもなお相手が納得しないのであれば、それは単に自説に間違いがあるか、そもそも議論がかみ合ってないがゆえに披露した知識が相手の求める疑問の答えになっていないだけに違いないのである。

*1:私の場合、説得をする際はできるかぎりその議論内の情報だけで自説が相手に理解できるように外部情報に頼る必要のある場合は、可能な限りWebリソースを参照し、どうしても書籍の参照が必要な場合は文章を引用するようにしているが、それでも上手くいかないのは件の通りである