そんなあなたに比較優位

やね先生の日記より

私にしても、稲葉さんや、id:nucさんや、id:tanakhさんのような才能を目の当たりにすると自分の至らなさに失望する。自分は生きているだけの価値がないのではないかと思う。

そういう時こそ、おなじみ比較優位でつよ!

比較優位とは、客観的に見てあらゆる点で他者より劣っていたとしても、相対的に生産性の高い技術に特化することで、他者に対して優位性のある立場を維持できる(=国の場合には輸出できるし、個人であれば仕事がある)という取引に関する基本的な原則である。

スティグリッツ入門経済学では下記のような例が掲載されている。

企業経営者は彼の秘書よりも早くタイプを打つことができるかもしれない。しかしそれでも、彼は秘書にタイプを打ってもらったほうが得である。その理由は、経営者は新しい顧客を見つけ出すことに比較優位を持ち、秘書はタイプを打つことに(絶対優位ではないが)比較優位を持っているからである。

というわけで、自分の存在価値を見失いそうになったら、比較優位を思い出してみませう……お給金については意図的に考えないことにするけど(´ω`)*1

とか言いつつ、人間なぞたかだか物理的生命体にすぎないわけだから、絶対的な意味で存在価値などあるわけないので、好きなように生きればいいんじゃね、とか思っているのは秘密だ(w

*1:比較優位というのは、絶対優位でなくても輸出できる品目は必ずあると言っているだけで、相対的に高い給料がもらえることを意味するわけではない。給料は生産性で決まるため、絶対優位を持つ人の給料の方が絶対劣位の人よりも高くなるし、逆に言えば、絶対劣位の人は自分の給料を下げない限り仕事を得られないという意味でもある。