ドライブレコーダーの効果

ドライブレコーダー(通称ドラレコ)、飛行機のフライトレコーダーの「自動車版」が自動車事故を未然に防止する有効な手段になり得ることが30日、国土交通省がまとめた「ドライブレコーダーの搭載効果」に関する調査・分析結果で分かった。

(中略)レコーダーを搭載して6カ月以上運行し、かつ、搭載前後での事故率の比較が可能だった全国のタクシー事業者24社を対象に、事故件数の変化を調査した。その結果、事故が50%以上減少した会社が8社、20%−30%減少が5社、10%−20%減少が4社、減少しなかった会社は4社だった。

また、事故件数の減少とレコーダーの搭載率との関係を分析した結果、営業車両全車に搭載した事業者では、確実に事故が減少していたことが分かった。また、事故件数が50%以上減少した事業者の過半数で、レコーダーを100%搭載していたが、減少しなかった4社の中に100%搭載した事業者はなかった。

なかなかにうまい方法論だと感心してしまった。

シートベルトやエアバックでは自動車事故によって発生する死亡者は減らせない。なぜなら、運転手の安全向上により、運転を注意深く行うインセンティブが減少してしまうからである。

それに対し、ドライブレコーダーを使う方法ならば、安全運転を行うインセンティブを高めることができる。事故が起こった際、それが運転手の不手際によるものかどうかが明らかになる(かもしれない)からだ。しかも、ドライブレコーダーは問題が起こった時だけしか情報が開示されないため、プライバシーの面から見ても問題にはなりにくい。これは、実用上大きなメリットといえるだろう。