トレードオフ

システム開発の難しさのひとつに、リソースが有限だったりトレードオフがあったりするにも関わらず、関係者にその認識がないということがある。

経営陣の要望は、概ね金額と詳細な情報把握という要件があがる一方で、現場はお金に無頓着であるし管理はされたくないし入力は簡素化したいと考える。リソース、すなわち金額に関しては「お金がありません」で終わりだが、「詳細な情報把握」と「入力の簡素化」はトレードオフの関係にあるため、そう簡単には解決できない。場合によっては、経営陣と現場の双方で詳細に情報把握したいが入力は簡便になどという調子のいいことを言いはじめたりする挙句に、お金もかけたくないなどといい始める場合もあり、こうなるとすべての要望を満たすのは不可能である。

もしかすると、SEの最も重要な仕事とはお客に現実を直視させることなのかもしれない。