押井守監督作品「スカイ・クロラ」を見る

だ、だまされた。いつもの押井映画じゃねーか(w

話はわかりやすいとは言っても、いつもに比べればって程度だし、演出はいつもどおりだし、話もいつもどおりだし(w

個人的には予想外に楽しめました。イノセンスよりは遥かに評価できる。まぁ、ビューティフルドリーマーとかレイバー１、２みたいな物語的感動はないけど、アニメを映画として演出するという趣向もとうとうこの域まで達したのか、という意味での感動はある。まだCGパートとアニメパートでの合成で違和感を感じる箇所はあるけど（主に飛行機）、その他はまったく違和感を感じることなく「映画」になっている（アニメ的ケレンを欲している人にはつまらないだろうが）。これは歴史的快挙だ。それぞれの要素技術はイノセンスと変わるわけではないが、イノセンスの時のちぐはぐ感は感じられず、しっくりくる。

映像がぼけているという意見がちらほらあるようだが、あれはリアリティを追求した結果だと思う。個人的には正解だと思ったが。

菊池凛子に関しては正直失敗だと思うが、他は抜群に良かった。特に榊原良子の演技は鳥肌もの。あと、キャラクターデザインは西尾さんじゃない方がよかったなぁ……。絵のうまさとキャラデザを立たせるセンスとは両立しないのかも。

というわけで、押井ファン的にはOKなのだが、他の人に薦めるのは……。でも、決して悪くないよ。デートムービーとして見に言っても唖然とすることはないと思うし。