大手SI屋はシステム屋というより銀行に似ている

さらにいえば、ゼネコンはキャッシュバッファの機能がある。零細な下請け企業がゼネコンの軍門に下っているのは、営業代行より、こちらに依存するためだと考えている。

2008-08-08

まったく正論。大手システム開発会社はシステム屋というより銀行や商社と考えるべきである。

私も各所で何回か書いたことがあるのだが、どうも受けが悪い。しかし、これは事実だ。数ヶ月から数年間という長い期間に渡って前払いなしで仕事を請け負うということは非常に大きな金銭的リスクを負う行為である。また、元受けは場合によって数億の損失をかぶることなどよくある。

零細下請け企業がそのような案件を受けることができると考えているのだろうか。基幹システムの構築だと案件が三年くらいになることもざらだが、その三年間中小企業はどうやって資金をやりくりできるのだろうか。また、数億の損失をかぶったら倒産は免れない。

大手システム開発会社は実際には投資プロジェクトの管理・監督を行っていると見るべきなのだ。

余談だが、中小企業の方が平均して人材の質が高いなどとは考えない方がよい。はてなで日記を見てると中小企業に優秀な人材が集まっているように見えるが、優秀でやる気のある人だけが日記を書いているだけであってその逆ではないし、社員の転職率が高いこともあり優秀な人材はすぐに違う会社に移ってしまう。発注元が下請けの管理をできるんならやってみればよいと思うが、よほどしっかりした会社でなければうまくいかないだろうし、しっかりした会社なら大手システム開発会社に発注してもうまくいくだろう。

あれだけ大手システム会社不要論が叫ばれる中、なぜ、むしろ大手システム会社による元受比率が高まっているのか。そのことをもっと考えるべきだろう。