勘弁してください……

「役所の方が電話をかけてこられたのは5月28日ころだった。複数のITベンダーに相談したところ、システム構築に数百億円から1000億円もかかるという。来年4月末までと期間が限定されているシステムにそんな大金はかけられない。それで環境省経済産業省は頭を抱えてしまった。(役所から宇陀氏への)話では『仕様書はこれから作ります、発注予算は決まっていません、申請件数はだいたい2000万件と予測、でもシステムは7月1日に動かしたい』という、むちゃくちゃな話でした」

テクノロジー : 日経電子版

2%どころの成長じゃないよ! 役所の無茶すぎる要求にも対応できるくらいIT業界の生産性がアップしたんだ! と、いう考え方もできるが、こういうのは勘弁してほしいなぁ。まぁ、たしかに先進国での成長というのはサービスの向上が主なわけだが。

実際問題、こういう無茶な成功事例だけを見て、お客が夢を見てしまうんです。予算と納期が守られることをプロジェクトの成功とするならば、半数以上のプロジェクトが失敗し、しかも年々その割合は増加傾向にあることを忘れちゃいかん(おそらく原因は、不況による予算の削減と技術的な難易度の上昇。また、統計には途中で中止されたプロジェクトが出てこないことを認識する必要がある)。

まぁ、システムなんてお客のわがままを聞かずに仕様どおりに作るならいくらでも安く早く作る方法はあるのだけどね。