お仕事は何もしないと決めた日。
岡野玲子「ファンシィダンス」読了。私も昔はずいぶん少女漫画を読んだけれど、岡野玲子という少女漫画家は他とは一線を隔す感がある。この人の作品は、物語というにあまりにも日常的でいて劇的でない空気感がある。とても人間が作り出した世界とは思えない。才能があるってのはこういうことなんだと改めて思い知る。
ついでに、集英社文庫版 モーリス・ルブラン「奇巌城」読了。怪盗ルパンシリーズの代表作。小学生の頃読んで大好きだった作品なのだが、さすがに内容を完全に忘れてしまっていたので、古本屋で見つけた際に買いおきしておいたのだ。
今読むと、こんなものかなとも思うのだが、そんなことより訳が酷すぎて物語が頭に入ってこなかったというのが一番の感想。キャラの口調はコロコロ変わるは、文章の意味が読み取れないはと散々である。特にルパンに「おれ」と言わせるのはやめてほしい。解説は割といいのだが……。