研究室にいたからといっていいことなんて基本的にはないのだが、たまに面白い出来事に出会うこともある。本日、教授から「テレビ局から『まばたきする座敷童子』の映像が送りつけられてきたので、見たい人はいますか」というメールが来たのである。教授は画像処理の専門家であるので、その関係で来たのであろう。
ここで怪談好きなら有名な「生首の掛け軸がまばたき」を思い出すはずである。これは期待せざるおえまい。しかも座敷童子である。座敷童子が映像に映っているだけでもすごいではないか。……というわけで速攻返事しました。
結局、先に研究室のメンバ数名が教授からそのビデオを借りてきていたので、いっしょに研究室で見ることにしました。テープを入れたところ、しばらくすると黒バックに「使用禁止」の文字。さすがはテレビ局、情報揺曳には慎重ですな。そして、とうとう座敷童子の映像が……。
以下略。
……じゃあんまりなので、一応書いておくとですね。いきなり、座敷童子の絵が書かれた色紙が画面に出てくるわけですよ。座敷童子とはこれのことのようです。これでピンと来る人はピンと来るはずですが、この色紙の絵はつのだじろう先生が書いたものに違いありません。ということは、映像の場所は座敷童子が出ることで有名な旅館「緑風荘」であると思われます(なんせ画面には畳しか映ってないので確かめようはありませんが)。この時点ですでにゲンナリですが、まだまばたきが残っています。あきらめません、見るまでは。
映像では、スタッフらしき人がその色紙を意味もなくクルクルまわしるという状態がずっと続きます。しかし、色紙が垂直になろうとしたその瞬間、なんと座敷童子の目が消えるではありませんか。ちょっとまばたきというには無理があろうという気もしますが、確かに不思議な現象であることには違いないではないか。これはもう一度見てみるしかない。巻き戻して再度チャレンジ。
そして、二回目。まばたきしたその瞬間、さすがに全員が気付いたはずです、これは反射だと。そう、まばたきの真相は光の反射だったわけです。目の部分は絵の中でも最も書き込みが多く黒々としているため、うまくライティングをすると消える瞬間ができるわけです。なぜ皆が気付いたか。色が諧調的に変化する挙句に、他にも消えてる部分があるんですねえ……ってゆうかしっかりと見れば普通気付きます。こんなん送りつけてくるんじゃねえよ日○レ。
想像するに可哀想なスタッフ君(たぶんアシスタント・ディレクター)は、これが起こるまでくるくるくるくると回しつづけていたのでしょう。テレビ局の苦労が偲ばれる良い映像でした。めでたしめでたし。