佐々淳行著「わが上司 後藤田正晴」を読む。カミソリ後藤田の異名を持つ後藤田正晴(第二小隊隊長 後藤喜一の元ネタになった人)について前々から知りたかったので読んでみたのだが、むちゃくちゃ面白い。とはいえ、後藤田正晴の話より佐々淳行の話の方が多かったりするけど。佐々淳行ってすごい人生送ってるなあ。ちょっと自己顕示が強すぎる気はするけど、それに文句を言えないくらいの業績はある。思いがけない拾い物である。とてもお薦め。
それにしてもこの本を読んでいるといろんな事がわかって面白い。まず、根回しの様子が「PATRABOR the movie」での警視庁内でのやりとりまんまだったりとか(実際にはあんなことありえないよなあと思っていたのだが、事実あんな感じだった)、「リクルート事件」のキッカケが江副リクルート会長が直前にあったちっぽけな賄賂事件での釈明会見の席上、賄賂の正当性を示すつもりで「多くの政治家が未公開株を渡しているのだから、こうした行為(ようするに賄賂)は経済活動上正当である」と実名で政治家の名前を挙げたことにあったとか、マスコミが今「昔はいい人だったんです」キャンペーンを張っている加藤紘一が官庁では昔から「富士山(遠くから見るときれいだが、近づくとごみばかり)」と呼ばれていたこと(今、この用語は田中真紀子に対して使われているが)などなど。ここ数十年の日本政治の裏舞台が結構書かれていたりする。



とりあえず、ねたぶくろ後藤田五訓を追加。