「私立探偵 濱マイク #09 ミスターニッポン〜21世紀の男〜」を見る。はじまりから飛ばしまくっててなかなか楽しい。映像の作りは素人感漂うが、まあこれだけ馬鹿な話をやってくれるならいいかという気になる。公式ホームページによると、監督の中島哲也という人は「サッポロ黒ラベル」のあの卓球CMの人のようだ。なるほど。
ただやはり、物語を語れないというのはCM作家の典型ではある。最初はなれないだけかもしれないので大化けを期待したいところ。



前々から日本における宗教ってなんぞやってところに興味があったので高取正男著「神道の成立」という本を買う。部分部分では面白いところもあるのだが、民俗学の悪いところが出まくってるのと著者が何が言いたいのかよく判らないのが玉に傷。余りいい本じゃないです。お薦めはしません。
ただそれでもわかったこともあって「日本の宗教ってよくわからん」という事。これは私がそう思ってるだけではなくて、学者から見てもそうみたいだ。何冊か立ち読みしてみたが「日本の宗教って何ぞや」という問題意識から始まるものが多いように思える。日本における神道と仏教の関わりに関して面白い例があったので引用してみよう。

しかも僧侶たちは、念仏供養の功徳によって死者はかならず極楽に行くと請合っておきながら、一方では盆のたびにこの世に帰ってくる亡魂のために棚経をよむという矛盾した行動をとってきた。仏教は六道輪廻の妄執を断ち、そこから解脱して彼岸に至る道をしめす教えである。そのことは十分に承知したうえで、なおかつ死後も霊魂は此岸であるこの世のどこかにとどまり、年間に日を定めて子孫のもとを訪ねて饗応をうけるという盆行事などにみられる伝来の信仰は、容易に消えることなく今日までつづいてきた。
確かに言われてみればその通り。いままで気にしてなかったけど、盆って変な行事だよなあ。
この本の著者の主張は「神道と仏教とは神仏習合と言われていたが、実のところ融合したことはほとんどない」という点にあるわけだが、神仏習合という言葉すら知らなかった私には公の解釈として神仏を一体として捉えてたんだという点にちょっと驚き。検索エンジンで調べてみると「もともと,さまざまな神さまはそれぞれ本地仏をもっていましたが(仏さまが神さまの本当の姿と解釈されていました−たとえば天照大神の場合は大日如来−)」なんて書かれてるし。
この本を読む限り原始的な神道というのは日本の気質そのものらしい。明治以降の神道をそれ以前の神道に対し継続性を持ったものと考えると違和感が出てくるのは、ここら辺にあるんだろうな。神仏分離に伴い、もともと日本の世俗的な文化であった神道キリスト教や仏教同様の宗教として位置付け直してしまったということなのかも。