関満博著「現場主義の知的生産法」を読む。暇つぶしに本屋に寄ったら帯に「山形浩生氏絶賛」などと書かれていたので、とりあえず買ってみた。うーむ、確かに「現場は重要」、「とにかく動け」と言われたらそうだよなあとは思うのだけれど、やる気がないし、やる気を出したくない人間が読んでも仕方ないよなあと思ってしまう(いやまったくダメな奴だね)。あと学問的にはどうかと思うところがあって、平均ではなく変わった所こそが重要なんだと著者が言うのは、現在の何でも統計主義に対する不満から出たものなのだろうけど、それは状況によりけりでしょ。少なくとも対極的に物事を見る学問においては「異常値」よりも「平均値」の方が明らかに重要だし。まあ確かに何も考えずに統計を使うというのはよい事じゃないとは思うので肝に命じておこう。



映画「ビューティフル・マインド」を見る。ガロアとかラマヌジャンとか数学者には面白い人がいろいろいるが、ナッシュもそうだとは思わなかった。ナッシュ均衡といえばゲーム理論の中心を成すものだ(私のような工学の人間でも知っているくらい有名)。
数学は、物理や工学と違って直接的に現実世界とは接点もないし、地道にデータ集めをすれば答えが導き出せるものでもないので、天才肌の人間が集まってくるのも当然か。そういえば、過去を眺めても「数学の先進国」というのは聞いたことがないなあ(まあ、予算が重要じゃないというのもあるんだろうけど)。