貧すればドンタコス



私の記憶が確かならば今日は3月1日のはずなのに、世の中の人はなぜかみな3日だと言い張っているので日付を修正。どうでもいいけど、2月が28日までしかないってのは百害あって一理なしだと思うんだけどどうよ。

この間の日銀総裁人事に対する危機感を他人と共有できないのがさびしい。日銀すなわち中央銀行の行動は景気に対して極めて大きな影響力を持つのだが、多くの人はそれをまったく知らない。
なんで中央銀行がそれほど大きな力を持つのかというと、「現金の価値を自由に変更できる」からだ。すなわち、中央銀行は自由にインフレやデフレを作り出すことができる(具体的には、銀行へ貸し出す金利を下げたりお札を刷ったらインフレ率が上がるし、金利を上げればインフレ率は下がる)。しかも、ここ20年の研究で、利子率(=現金の価値)の影響は政府が行う財政政策(公共投資、減税など)よりも大きな影響を与えることがわかっている。例えば、スティグリッツマクロ経済学ではこのように書かれている。

このクリントン政権の)エピソードと、前述のレーガン政権初期に起こったエピソードの両方のケースで、利子率の効果は財政政策の効果を凌駕している。レーガン政権下のケースでは、財政政策が拡張的であったにもかかわらず、高利子率が景気後退をもたらした。一方クリントン政権下のケースでは、財政政策は緊縮的であったにも関わらず、低利子率が経済を回復させた。
今度、新たに就任した福井という人物は、前総裁の速水と同様の主張をしている。もし、この新しい日銀総裁が考え方を改めずに今まで通りの政策を継続した場合、今後五年間デフレが続くなんてことが予想される(現在の法律では、一度総裁が任命されると任期の五年間、例え総理大臣であっても辞めさせることができないようになっている)。デフレは定義からして「需要より供給の方が多い」わけだから、どんなに企業ががんばっても勝ち残れないという状況が発生する(事実、数年前まで勝ち組み企業として囃し立てられた企業群でさえも赤字や減収が続いている)。私が就職予定の某社なんぞ、すでに潰れそうだと言われているわけだから以下略である。
もうすでに総裁人事は決まってしまったわけで、あとは祈るしかという状況であるが「この悲劇が二度と繰り返されないことを願って」ここに憤懣やるせない気持ちを書きとめておく。