ずいぶん前から思っていたことだが、SEという職業は「プログラム and データベース」、「システム管理」、「業務知識」、「人員管理」など非常に幅広い能力が要求されるわりに労働時間が長く給料も安い(らしい)。それだけならまだしも技術はすぐに陳腐化するのでどんどん新しい技術を覚えなくてはならず、しかも終わりが無い。うーむ、おかしいなあ。就職活動をはじめる前はSEにだけはなるまいと心に誓っていたはずなんだが……。



映画「トータルフィアーズ」を見る。私はトム・クランシーはまったく読んだことがないので、映画を見ただけの感想だが、たしかに割とリアリティあるストーリーにはなっていたように思う。いくら広島型の原爆より小規模とはいえあんな近くで助かるのかよとかいう突っ込みは入るものの、実際にあのようなテロが起こったら映画の中で語られたような事態になるのも不思議ではない(実際、そうなるかもと思わせるような事態が貿易センタービル爆破以降の状況であったわけだし)。
ただ、主役のどうでもいいっぷりとか、メインストーリー以外無きに等しいとか映画としてはどうかという気もするが。なんだか、自分(=観客)の居ないどこかで勝手に話がすすんでるような感覚なんだよなあ。

山形浩生ご推薦の「ごみ投資家のための人生設計入門」の著者による「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門」を読む。本当は「ごみ投資家……」を買うつもりだったのだが、さすがにやや古くなってしまったせいか、事実上の絶版状態。ところが、最近「ごみ投資家」を書き直した本が出たという話を聞き見つけたのがこの本である。
表紙の帯に「小林よしのり氏絶賛!!」と書かれているあたりかなりアレだが内容的にはすごくイカしてる。タイトルを読めばわかる通りこの本はいわゆる「金持ち HOW TO 本」である。ただ、普通のものと大きく違うのは極めて現実的な視点に立って書かれている点。「サラリーマンは税金が高い。自営業になるだけでここまで税金を削れる」とか「株とバカラは他の賭け事より割がいい」とか「専業主婦という選択自体が極めて贅沢」とか、ようするに普通の人がどのようにすれば奇跡に頼らずに金を増やせるかということが書いてあるのである。ミクロ経済学を学んでいれば分かるとおり、この世の中が本当に効率的であれば、基本的に楽して他人よりもうける投資機会はない(ハイリターンが得られる投資は、ハイリターンでなければならない。なぜなら、ローリスク・ハイリターンな投資機会があるならみんなそこに投資するはずだから)。だから、本当はもうけることなどできるはずはないのだが、そこで著者は言うのである「世の中は完全に効率的ではなく様々な制度的な歪みがある。だから、その歪みによって得する人もいれば搾取される人もいる」と。
読んだ感想としては、運以外で金持ちになるのは大変だってことね。うーむ、楽に生きるというのは難しいもんだ。