ひさびさにビデオ三昧の週末。といってもキングゲイナーメインだったりするのはどうかという気もするが……。



というわけで「Overman キングゲイナー」を4巻まで見る。前にちらっと見たときには「あぁ、富野も少しは病気が治ったか」とか「エルガイムみたいなの」とか言ったような気がするけれど前言撤回。エルガイムというよりもむしろザブングルだし、変なところはとことん変。でも、たとえキチガイでもここまでやってくれればおもしろいじゃないか。
いやホントに。敵はシベ鉄で主人公はゲームキング。街ごと持ち上げて投げるは、天上天下唯我独尊だは、富野言葉は出まくるは、もう無茶苦茶なんだけど、その無茶苦茶さが心地よいのはなんでだろう。続きも楽しみにしよう。

続いて、「攻殻機動隊 STANDALONE COMPLEX」19話「偽装網に抱かれて」から22話「疑獄」までを見る。散々文句を言ってきたこのシリーズだが、段々良くなってきているのは認めざるを得ない。それでも、どうしても引っかかる部分があるのは、余りにも元ネタが見え透いているのと、話が地に付いてないというところにあるのだろうと思い始めた。
「グリコ森永事件」「北朝鮮拉致疑惑」「丸山ワクチン」といった事件のネタが余りにも昇華されずに多用されてはいまいか。プロが金をかけて作るのだから、もっとオリジナルな形にして見せて欲しい。今のままでは同人誌と対して変わらない。
話が地に付いていないというのは、未来の話のはずなのに世界があまりにも現代的であるというところだ。もちろん、現実の未来も現状の延長線上であるのは間違いないが、STANDALONE COMPLEXの世界にいる人々からは「時代の空気」的なものがまったく感じられない。私には9課の連中が現代にタイムスリップしているようにすら見える。これは、9課の連中だけが最先端の技術を使っているのに対し、一般人は現代とまったく同じ技術レベルの生活をしているのが原因かもしれない。我々の生活は一見10年前と変わっていないように見えるが、実際に映像を比べてみると携帯電話や服装のセンスなど結構違っていたりする。ブレードランナーや押井作品で未来世界がビビッドな現代ではなく「繁華街」であったり「日本」であったり「少し昔の時代」だったりするのは決して偶然ではない。微妙に世界をずらす事によって違和感を誤魔化すことができる。

いまさら「マトリックス・リローテッド」を見る。まあ、なんというか「現実と非現実」という極めてSF的なお話は第一作目で過不足無くやってしまったせいで、続編はアクションが派手な単なるファンタジー巨編になったというところなんでしょうな。続編というより「マトリックス世界」を使った派生作品といった感じか。あるいは、続・猿の惑星みたいな映画というべきか……。まあ、期待しなければそれなりに楽しめるかも。映画館で見る価値はないけど。