闘う経済学者クルーグマン先生の「嘘つき大統領のデタラメ経済」を読む。いやはや、何というかこの本を読むと日本が幸せに思えてくる。たしかにこの十云年に及ぶ経済の停滞は無能な政治家たちの失政のせいだとはいえ、どんなに酷くても森芳郎がいいところ。とてもブッシュJrみたいな政治家は出てこない。無能な嘘吐き大統領から下半身に節操のない優秀な大統領まで、アメリカという国は何でも極端だよなぁ。
ともあれ、この本を読んで気付かされるのは「経済学」という学問のツールとしての強力さである。公表された数字を調べるだけで、ジャーナリスト達がどんなに走りまわっても手に入れることにできない真相を見つけ出すことができるという事実は痛快のひとこと。東谷氏がジャーナリストとして優れた仕事を行っても、経済学を理解していないが故に真実を見誤ったのとは対照的である。
クルーグマンスティグリッツのように学問的業績もありコメンテーターとしても優秀な人材が日本にも出てきてくれないものか。日本の夜明けは遠い……