中村正三郎 Watching

中村正三郎先生曰く、

 経済学と、経営、経営学はまた別の世界だし、人事や教科書的でない財務諸
表の読み方なんて、科学じゃなくて、もはや黒魔術の世界ですからね。\(^O^)/
 出世のためにそういうのが馴染むようになると、立派なヤメ理系となるんで
しょうね。\(^O^)/

 理系も経済学はやったほうがいいと思いますよ。頭もフレッシュで切れてい
る若い理系にとってみれば、こんなのが科学か、学問かと思うくらい簡単。少
なくとも教科書レベルでは。マクロ経済学はつまらないと思ったけど、ミクロ
経済学やファイナンス理論なんかは好奇心がそそられますね。それでも経済学
の考え方って、それなりに合理的だから知ってるといいですよ。
 日本の経済学の不幸は、理系が数学や科学的手法でちゃんとやってこなくて、
アダム・スミスにしろ、マルクス経済学、ケインズ経済学にしろ、科学という
より社会学、社会思想史の流れが主流になって発展してきたことにあるんじゃ
ないか。
 昨年、Ringの飲み会で話題になって、読んで面白かったんですが、スティグ
リッツ経済学のこと、一言書いたあとで紹介しようと思って、いまだに紹介し
てなかった本があります。

多少、まともなこと言いはじめた*1

マクロ経済学はつまらないと思ったけど、ミクロ経済学ファイナンス理論なんかは好奇心がそそられますね」あたり、気持ちはわかる。啓蒙書読むとマクロ経済学って面白いんだけど、教科書はミクロの方がだんぜん面白く感じる。

ただ、「日本の経済学の不幸は……」のくだりはう〜む。アダム・スミスマルクスは別としても、ケインズ経済学は社会学・社会思想史の流れにあるようには思えないんだが。

ちなみに「教科書的でない財務諸表の読み方なんて、科学じゃなくて、もはや黒魔術の世界」と書かれているが、最近会計系の本を読みまくっている者(=私)の見解からすると「そんなことはありません」という感じ。

山形浩生クルーグマン本のおかげで経済学を現実に対応させて理解できるようになったと書いていたけれど、私も同じように「決定版 ほんとうにわかる経営分析」のおかげで会計と現実を対応させて理解できるようになった(気がする)。

簿記とか財務諸表だけ見てるとわからないけど、会計もきちんと理論のバックグラウンドがあって、しかも実は(部分的にだけど)経済学も関係していたりするんだな、これが*2

黒魔術みたいに見えるのは、初心者がUNIXな人を魔術師みたいだと思うのと同じで、わかってしまえばたいしたことをやっているわけではないと分ってくるんです。間違いない。

*1:どうでもいいけど、前言撤回するつもりはないのか?

*2:以前、著者の高田直芳氏について「経済学を知らなくともまともなこと言ってる」なんて書いたけど、とんでもない。続編の「決定版 ほんとうにわかる管理会計&戦略会計」を読んだら経済学の知識使いまくりでした。謹んでお詫び申し上げます