高安氏主張の「企業通貨システム」について

経済物理学の発見 (光文社新書)」で提案されている企業通貨システムって、読み返してみると単なる為替ヘッジだよなぁ。まるで自分の発明みたいに書かれているが、外貨で大量の取引がある企業はどこでもやってますって、そんなこと*1

しかも「地域通貨として導入することも可能です……金融政策を自主的に決められるメリットがあるので、国とは別の独自の政策を推進することも可能となるのです」って、高安氏主張の「企業通貨システム」は、事実上の固定相場制*2なので、自由な資本移動か自立的な金融政策は放棄するしかない。特定地域(例えば東京など)で自由な資本移動を規制するわけにはいかないので、当然金融政策などできるわけがない。

しかし、経済を専門にしている人でさえこの理解なのだから、政治家がどうかなど推して知るべしだな。

*1:国内だけで商売してる企業は、やるメリットがないのでやらないが

*2:野口旭「経済学を知らないエコノミストたち」を参照のこと。新通貨のレートは、各国通貨の加重平均であり新通貨自身がレートを決めていないことに注意