理想の怒られかた

上述の「本当の力が目覚める魔法のコーチング」の中に非常に面白いエピソードがあったので引用しておく。

……わたしは試験でへまをしました。大失敗をやらかしたんです。教官に呼ばれました。わたしは大目玉を食らうと思っていました。怒鳴られるだろうと。
 部屋に入って敬礼しました。教官はわたしをじっと見て、目をそらしませんでした。まばたきひとつしません。声をはりあげることもありませんでした。
「ルッソ少尉、この試験は失敗だったな。言い訳は」
「言い訳はありません」
「また失敗しそうか」
「いえ。二度としません」
「そうだろうな。下がっていい」

これほど完璧に叱られたのは、後にも先にこのときだけです。

このエピソードが本当にあった出来事かどうかはさておき、たしかに完璧なやりとりである。こんな怒り方ができる上司がいたら心から尊敬できるのだが。