トム・コネラン著「本当の力が目覚める魔法のコーチング」を読む

似合わね〜。なんでこんな本を読んでるんだと言われても仕方がないのだが、仕事上で人間関係の小さなトラブルが続いたことがこの本を手に取ったきっかけである。

ちなみに、私は仕事上でもこの日記同様大人げないのでトラブルが起こるのは当然である。そんなこと重々承知しているが、人間性格というものはそうそう変えらないので、諦めているし変えるつもりもない。だいたい世の中、この程度のわがまますら許されないのなら生きている価値などないと思っている。

とはいえ、トラブルがあると無駄な力を費やさねばならないので、それを避けるためにもこうした人間関係を円滑にする技術というのを知っておくのは悪くないかもしれないと思ったとき、某所でこの本の評判を聞いたのである。

実際のところ、買ったのは数ヶ月前でずっと読む気が起こらず積読状態だったのだが、読んでみると実によくできた本で数時間ほどで読み終えてしまった。この手の本に極めて懐疑的な私がそう思うのだから、たいした本である。

この本の趣旨は「他人に高いパフォーマンスを発揮させるにはどうしたらよいか」にある。その回答を簡潔にまとめると下記のようになる。

  • 期待をかける
    • ただし、高すぎる期待をかけるのも、容易く達成できる程度の期待をかけるのも適切ではない。達成が可能な複数の目標とやや達成の難しい目標を組み合わせるのが良い。そして少しずつ達成目標を高くしていく。
  • 責任を与える
    • 集団に対してではなく対象となる個人に責任を与え、実行の主体にする。ただし、与えるのは責任であり非難を与えてはならない。
  • フィードバックを与える
    • 良い点を即座にフィードバックし無視をしない。また、良い点も悪い点も具体的に伝え、問題の起こった理由を尋ねるのではなく「どうしたら良くなるのか」相手に提案させるようにしむける。

どの指摘も具体的でもっともな内容である。また、とても簡潔であり好感がもてる*1。私がこれをそのまま実践できるかどうかはわからないが、今後これらの知見が必要となる機会がくれば、利用させてもらおうと思う。

本当の力が目覚める魔法のコーチング

本当の力が目覚める魔法のコーチング

*1:本書にもあるとおり簡潔だからといって実行するのは容易いことではない。だが、簡潔な方法は覚えやすくぶれも少ない