宮部みゆき「ぼんくら(上)(下)」を読む

一時期、宮部みゆきの本を読みまくっていた時期があった。

基本的にはずれの作品がなく、はずれであってもそのレベルは非常に高い。しかしながら、何作品を読んでも私が一番初めに読んだ「火車 (新潮文庫)」を超える作品に出会うことがなかったため、いつの間にか新刊にも手を伸ばさないようになっていた。

今回も列車に乗っている間の暇つぶしのつもりで買ったのであった。

しかし予想は見事に裏切られた。さすがに「火車 (新潮文庫)」には及ばないものの、十分な傑作である。特に宮部が過去に書いた時代劇ものを読んでいるならば、その意外な展開に驚かされることになるであろう。

多少、後半強引な展開があるものの、描かれるキャラクターは非常に魅力的であるし、宮部作品には珍しく子供の造詣にも違和感はあまりない。おすすめである。

ぼんくら(上) (講談社文庫)

ぼんくら(上) (講談社文庫)

ぼんくら(下) (講談社文庫)

ぼんくら(下) (講談社文庫)