効用とはなにか(仮)

注)下記内容は極めて不毛であり、あくまで個人的な興味に基づく考察です。場合によっては反経済学的内容を含む場合もあり、興味の無い方は積極的に読まない選択をするよう望みます。あしからず。

アレ以来、効用とは何なのかというのがずっと疑問に思っていた。いろいろ調べてみたのだが、効用の定義に類する記載自体がなかったり*1、「財・サービスに対する満足度」などという初学者を惑わす記載が散見されるというありさまである。

しかしながら、経済学あるいは一般社会において効用という言葉が存在し幸福という言葉とは別に使われている現状を考えるに、この概念が適切である範囲というものが存在するはずではないだろうか。

だが、ついに私は見つけたのである。効用のあるべき定義を。

効用とは、幸福の測度である

……って大げさですか。まぁ、wikipedia英語版にも「In economics, utility is a measure of the happiness or satisfaction gained from a good or service.」とか書いてますからね*2

測度とは何かというと空間に対する距離や体積のような概念である。なぜ、測度という解釈が良いかというと、まず幸福が主観的ではあるものの実在する概念として固定される一方で、効用は必ずしも幸福全体に固定されないからである(例えば、「りんごの効用」は正しい使い方であるが、個人の幸福はりんごだけで表現できるわけではない。幸福の一次元であるりんごに対しての満足度を測っているのである)。このように考えると、例えば

  • 空間→幸福
  • 距離→効用
  • 距離関数→効用関数

のように概念を対応させて理解することができる。

ただ、このように考えると幸福の政治経済学―人々の幸せを促進するものは何かにて効用と幸福が対比するのはナンセンスだということになる。しかし、おそらく次のように解釈すればよいのだろう。

  • 効用=通常ミクロ経済学の教科書で想定されるような財・サービスに対する効用関数
  • 幸福=幸福度のアンケート調査に基づく効用関数

で、著者らは後者の方がより幸福全体を網羅していると主張しているのである。

とりあえず、個人的にはこの定義で満足しているのだが、反例があったらやさしくおしえてください(w

幸福の心理学

幸福の心理学

*1:某書籍にはタブーとさえ書かれてあった

*2:一応説明をいれておくと、すりらんかさんの意見に従い「gained from a good or service.」は削除、「the happiness or satisfaction」に関しては、幸福の心理学の「大規模な調査研究例があるなかで、幸福の明白な総括的因子として、満足度(satisfaction)を挙げているものが若干ある」との記載より、満足度は幸福の大きな部分を占めるため幸福と不可分に見られがちという理由で満足は幸福の一要素であると解釈しhappinessのみを残すことにした