日本IBM、昇格の条件に自己申告導入

IBMと言えば、謎の人事制度をいち早く取り入れることで定評があるのだが、本当に何を考えているのかよくわからん会社ではある。

この制度を取り入れることでどういうインセンティブが働くかというと、(まぁ例外はあるだろうが)普通は出世したいだろうから、

  • 部下は、自分の必ず達成できる目標しか設定しない
  • 上司は、自分の気に入った部下に甘くなる

という感じになるだろう。実際、企業で働けばわかることだが、この手の評価制度というのは、上司の性格に大きく作用される*1。結果としては、適切な目標設定ができないばかりか、上司の評価が部下の評価に過大に繋がってしまう。

思うのだが、この制度を導入しようと決めた人事部の連中は、おそらく社員の評価が極めて難しいことを知っており、そのうえで自分たちの責任を放り出したのではなかろうか。

やはりいわゆる成果主義という方法論はいまいちおいしくないなぁ。はてなページランク方式は成果主義の方法論の中では、優れた手法だと思うが、あれは数人規模の会社だからできる話であって、例えば社員が本社以外の場所に常駐することも多いSE業では絶対に採用できない方法だ。

うーむ、世間がバブル景気にわけば、評価なんて誰も気にしなくなる気もするが、そうでもないのか?

*1:いや、大学でも同じだ。評価に厳しい教官とそうでない教官は必ずいる。甘い評価を付ける教官の下で4年間過ごしオールAの学生と、極めて厳しい評価を付ける教官の下で4年間過ごしオールBの学生のどちらが優秀かは言うまでもないが外から見る分にはわからないだろう。