そういえば

SBIの北尾氏がライブドアにいろいろ言っているのをみると、さすがにお前が言うなと思っている人が多いんだろうなぁ……とは思う。ちなみに、SBIという社名は以前はソフトバンク・インベストメントという会社の略称だったが、現在はSBIというソフトバンクとは基本的には関係ない会社になっている*1。立派な処世術はお持ちのようだが、人として誉められる行動をしているかは別ではないだろうか。

ホリエモンが技術者としてはそこそこ優秀だったんでは? という話もあって、なにかと毀誉褒貶の激しい状況ではあるが、なんだかんだ言ってホリエモンのやったことは創造的会計の賜物であろうことは想像に難くない*2。しかし、だからといって北尾氏が正義の味方になってしまうのはどうしたものかとも思わんでもない。

マスコミを叩くならば、株なんていうくだらないものに能力の限りを尽くしている人々もやはり叩くべき対象なのだ*3。たしかに株式は、直接投資という重要な役割を果たすが、日々の取引で数十%もの変動が起こる指標が企業の価値を決めているわけもなく、彼らのやっていることは基本的にはフリーランチを探すという合理的ではあるものの生産性向上になんら寄与しない行動をしているだけなのである。

経済学者は概ね株式市場の自由さを支持する傾向にあるのではないかと思うが、本当にそうなのかと個人的には疑いの目で観ている。中村正三郎の発言はたしかにトンデモだが、多くの優れた知性が株式で利ざやを稼ぐようなことに費やされる現状が本当に適切と言えるのだろうか、という疑問に関しては技術者として同意せざるを得ない。

優秀な人間が技術力を駆使して何かを発明したとしても100億の金を手に入れることはまず不可能である。しかし、株式ならば100億を手にする人間が実際にいるわけである。おそらく、このような状況下では本来技術者として生産性を発揮しなければならない人々のインセンティブ構造が歪んでしまうのではないだろうか。

*1:たしか子会社から関連会社に変わったはず

*2:ホリエモン並の技術者なんていくらでもいるでしょ?

*3:とか言いながらホリエモンショックで5万円ほど損したのは秘密だ(w