支倉凍砂著「狼と香辛料 (電撃文庫)」を読む

某氏に「経済学小説らしいのでとりあえず読め」とのお達しが来たので、読んでみる。

内容的には、行商人の主人公と狼神ホロという猫耳美少女のラブコメ・ファンタジー。この話のどこに経済学の絡む要素があるのかと思いながら読み進めたのだが、「行商人」部分に経済っぽい部分を絡ませてあった。正直な話、経済学というより商業知識というべきであろうが、たしかに過去にはあまり見たことのないネタだったので、なかなか楽しく読めた。内容面でも特に変な記述は見受けられない。文章も上手いし、話運びもとても新人が書いたものとは思えないこともあわせ、個人的にはかなり高評価。

難点は……やはりタイトルかなぁ。内容がピンとこないのもそうだけど、読んだあと振り返っても本の主題を著しているように思えないので、もっと無難で続きものが書けそうなタイトルの方が良かったような。

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)