管理会計とはなにか
管理会計という分野がある。財務会計というのは商法・証券取引法・法人税法といった諸法令によって規定され*1、外部の人々へ企業の財務状況の比較可能性を提供することを目的とした会計である。
では、管理会計はというと、目的という意味で言えば、内部利用のための何でもありな会計のことなのだが、しかしこの解釈に関してどのように考えるべきなのかわからないところがある。
例えば、以下の二つの方法論が考えられる。
- 管理会計とは、財務会計では適切に表現できているとは限らない各社の実態に即した会計規則を用いることで、内実をより良い精度・観点で得ること目的としたものである
- 管理会計とは、企業統制の管理のため、インセンティブを向上させる施策を行うための方法のひとつである。例えば、社内売買単価を特定の商品のみ引き下げることで、特定の商品を重点的に売るよう仕向けることなどが考えられる。
前述の管理会計は、一般的に使われる用法かと思われるが、後者のような方法も会計を道具として利用する立場からすれば正当化できるかもしれない(京セラのアメーバ経営論などはまさにそうだ)。
しかしながら個人的には後者の考え方には非常に批判的である。理由は単純であり、会計とは企業の実績を表す唯一の鏡であり、もしその鏡が企業統制のために歪められるならば、実績がどこにも存在しなくなってしまうからである。しかし、これはアメーバ経営論の批判を意味するわけではない。アメーバ経営の本質は組織制度の改変であり、アメーバ経営での本格的な社内売買方式の採用はその実態を最も正しく表した方式であったにすぎないからである。
アメーバ経営論―ミニ・プロフィットセンターのメカニズムと導入
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*1:……ていない部分が多くて困ったりするのだが、別の話