複数の商品・サービスが組み合わせを販売した際の売上計上基準

いやー、簿記を勉強してたときには、会計の仕組みって良くできてるなぁとか思っていたのだけれど、実務でやると穴だらけだということがわかって面白い。

例えば、今回の「複数の商品・サービスが組み合わせを販売した際の売上計上基準」なんて、ものすごく良くある販売形態なのだけれども*1、残念ながら日本の会計原則にはまったく書いてないし、米国会計基準でも具体的な適用方法については述べられていないようだ。

例えば、毎月1000円でASPサービスの契約をするのだけど、サービスの一環として年に数回グッズが送られてくるとする。さてこのとき売上はどのように計上すればよいのだろうか。月末に1000円売上計上すればよいと思うのだが、年数回送られるグッズを送付した際には売上計上が行われないことになる。

前述の通り、計上基準としては明確なものがないのだが、ある種の指針は各所から出されており、米国会計基準でも指針は示されている。多少違いはあるものの、それらは概ね下記のようなものである。

  • 契約に含まれる各商品・サービスが明確に分離できたり明細金額が分離されてお客に提示されている場合は、妥当な売上額を見積もり個別の商品・サービスごとに計上を行う
  • 主たる商品・サービスに比べ付随的なものである場合には、主たる商品の売上計上に含めることができる

この基準に従うと、グッズの販売が付随的なものとみなせるならば、月末の1000円計上でもよいし、そうでなければグッズの送付月のみ適当に按分して2回計上することになる。問題は、自動仕訳でそんなことできるのかよとか考えると、どこまで現実的な基準なのか不明でシステム屋としては困った感じだ。

ソフトウェアの減価償却費計算もそうだが、恣意的に操作可能な規定はソフトウェアにとっても厄介な問題となる(だって、自動化できないもの)。妥当な基準は重要なことであるが、実効性も考慮してくれるとありがたいなぁ。

*1:SI屋が行うハード、ソフト、開発の一括請負なんてのもそうだ。