小松左京著「SF魂 (新潮新書)」を読む
新「日本沈没」の評判が非常によろしくないのだが、「さよならジュピター」を先に見れば気にならなくなるのではなかろうか……と、まだ見に行っていないので楽観的に書いておく。
閑話休題。日本沈没の出来はともかく、この映画が撮られたことで、小松左京という偉大な人物がまた人々の口にのぼるようになったというのは非常にうれしいことである。日経新聞には連載が始まり、今度は新書が出た。
内容はと言えば、自叙伝である。知っている事柄も多々あったが、特に第一章の戦中の記述が衝撃的であり、当事者ならではの重みを感じる。平和で文化的な生活から暗黒の戦時下へこうも簡単に移行してしまえるのかと思うとぞっとする。教育基本法に愛国心など追加するより前に「はだしのゲン」と「ラバウル戦記」を全国民に読ませる方が重要なのではないかと本当に思う。てゆうか私は戦争に行きたくないし、巻き込まれたくもない。
まぁ、経済学によれば現代社会において戦争にメリットがないのは明らかだし、徴兵よりも傭兵・志願兵の方が効率的だということを考えれば、それほど心配する必要はないのかもしれない。だが、総理大臣や通貨の番人がみずから自分の首を締めるような行動をする現状を考えると、そういうことだって起こらないとも限らない。
日本SFの全盛が科学技術への過信に寄りかかっていたことは明らかであり、科学技術という存在そのものが日常に溶け込んでしまっている現代においてSFが流行らないように見えるのは当然のことに思える。だが、地球規模、宇宙規模の思考、そして遠い未来に思いをはせる楽しさは今だって存在しえるのではないだろうか。
というわけで、日本SFを読もうキャンペーンを張ってみるテスト(w
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