資源は有限

実のところ経済学において最も重要な知見は「資源は有限」であるという仮定なのではないかと思えてならない。「資源は有限」とは仮定ではあるが事実でもある。なぜならば、資源が無限ならば好きなだけ効用を享受すれば良いのであって、誰も経済学など必要とはしないはずであるからである。

しかしながら、ワーキングプアの問題にしても、大淀病院産科の件にしてもいくつかのブログの意見を読むにその事実を忘れているように思える。皆、低所得者身体障害者ニート、庶民、自分といった弱者に資源の割り当てを望んでいる。しかし、その資源は無から湧き出てくるわけではない。誰かに資源を割り当てるならば、(少なくとも短期的には)誰かから資源を奪うしかない。

何かを語る前に、まずは資源が有限であることを意識しよう。その上で、資源そのものを増やせないか、資源のよりよい割り当てができないかを考えよう。それだけで政治論議はずいぶん改善されるのではないだろうか。