経済学の見取り図(ベータ版)
小田中先生の「ライブ・経済学の歴史」では、経済学における重要なテーマを分配、再生産と価値、生存、政府、効用、企業、失業の7つに分類している。
ただ、詳細に検討しないならば、生存や失業は分配の問題であるし、再生産=成長は分配と表裏一体の関係にある。
また、政府、企業は個人の集団の特性の問題とみなせる。また、効用は価値と同義とみなせるであろうし、それは個人の特性の問題と言い換えることができる。この時、個人や企業とはまさに経済学における要素であり。これにどのような名前付けが適切かはわからないので、ここでは「対象」と呼ぶことにしよう*1。
その一方で、上記の分類では、時間的あるいは空間的な話題が抜けているように思える。しかし、時間的・空間的とは、実際には個人、企業、政府、国家との間の時間的関係・空間的関係のことであり、すなわち対象間の関係を意味している。
そのように考えると、経済学という学問は成長と分配、対象、時間、空間という四つのテーマの組み合わせから成っていると考えられる。整理すると下記のようになる。
- 成長と分配
- 成長
- 分配
- 対象
- 個人
- 企業・団体
- 政府
- 国家
- 時間
- 静学的
- 動学的
- 空間
- 近距離
- 遠距離
このように分類すると、需要と供給の議論は(分配、個人、静学的、近距離)の議論となり、比較優位の議論は(分配、国家、静学的、遠距離)の議論であることがわかる。
*1:エンティティ、リソース、ロール、アクターなどの案を考えたが、どれも適切ではないように思えたので。