社会保障を考える上で必要なこと

  • 労働のインセンティブを阻害しないこと
  • 必要な時に必要な額が速やかに支給されること

1番目は経済学的にはメジャーな話題だが世間的には忘れ去られることが多い話題だ。生活保護の問題点は収入があると打ち切られるため、働かないインセンティブが生まれてしまうことにある。負の所得税だとそのようなことは起こりにくいし、負の所得税の代替版である勤労所得税額控除ではそれが起こらない。所得再分配後に所得の逆転現象が起きないことも制度設計上は重要になる。

また、2番目の速やかに支給されること。これもおそらくは重要で、例えば無職でお金がなくなってから申請に行ったとしても申請がおりるのが一年後では役に立たない。また、現在実際に発生しているように審査により落とされた人が餓死してしまうような事態も発生してしまう。可能な限り自動的に支給される仕組みの方が望ましい。

病気などで労働できない人を除けば、勤労所得税額控除と政府による低額労働の斡旋により上記の問題はクリア可能だろう。仕事ができる人に仕事を与えることは重要なことだと思うのだが、現在の日本の施策にこの観点はないように思える。精神疾患などで通常の仕事が困難な人にも、自宅でのおもちゃの組み立てなどを割り振ることで多少なりとも賃金を獲得させ生活保護ではなく勤労所得税額控除によって補助する方がよいように思われる(有体にいってしまえば、仕事の内容はフェイクでも良く、補助金の獲得にそれなりの負荷が発生することが重要なのである)。

この条件下であっても本当に労働できない人は少数であろうから、それは医療機関での認定でカバーできるはずである。このような仕組みの方が現状の制度より遥かにましだと思うがいかがだろうか*1

*1:なお、本日の内容はほとんど某書のパクリである。為念。