最近不思議に思うこと

そういえば、ここ最近何度か「ちまたの経済学系blogなんて最先端の話題を扱っているわけじゃないし、そんなの読んでも仕方ないじゃんwwww」という専門家らしき人が書いた文章を読んだ記憶がある。

しょせん素人の私が言っても説得力のかけらもないので詮無いわけだが、ゲーム理論とか動学的一般均衡とかより新し目の話題の本を読んでも、緻密な議論になっているとは思う一方、結論が根本から覆されるような話題には出会ったことがない(だいたい、一度ひっくり返されても元の方向に戻っていく)。

実験経済学やゲーム理論は胡散臭いはずの合理的個人をむしろ正当化し、RBCはその論理的精密さの一方で非現実な仮定・結論が問題視され古びたモデルと同じ世界に近づくべく努力が続けられる。結局、最先端の話題などというものは、先人の見つけた優れた経験則に存在するブラックボックスを解き明かしているにすぎないのではないか。

少なくとも最先端の経済理論により資源が無限にあったり、フリーランチが長期間存在しえたり、市場原理が常に無効であったり、貿易は常に益より害の方が大きかったり、貨幣を発行し続けてもインフレにならなかったりすることが正当化されるなどということはありえない。

むしろ、日常生活で政策に対する是非を判断するような際には最先端の議論は筋道が見えにくくむしろ使いにくい。専門家ではない人にとっては基本的な考え方と実証研究の結果を知っていることの方がより役に立つのではないだろうか。