歳はとりたくないねぇ
http://d.hatena.ne.jp/yumyum2/20081015/p4
- 1929年にはじまった世界恐慌を経て、マクロ経済学=ケインズ経済学は産声を上げた
- 資本主義経済や市場経済はなぜ機能不全に陥るのかということを考える経済学だった
- ところがマクロ経済学はマネタリズム→合理的期待革命→実物的景気循環理論(RBC)と変遷
- 世界の一流大学で第一線の経済学者が研究するRBCは、金融が経済や景気に与える影響を極端なまでに否定し、サブプライムローンの問題が本格化しても政府は何もしなくてよい、と言っていた。
- RBCを提唱したキッドランド、プレスコットが4年前にノーベル経済学賞を受賞したときは、こんな役立たずの理論に賞を与えるのならば、賞は廃止した方がよい、という意見も出た。
- 今の金融危機は、現実から遊離したマクロ経済学に転機をもたらすだろう。
自分が人生を捧げてきた学問体系を「現実から遊離した」と腐す態度は、どういう思いから発せられるのだろう。本来自分が成し遂げるつもりだった理論体系の構築ができなかったことに対する不満からなのか、それとも最新の理論に追いつけなくなった自分の能力に対する嘆きなのか。量子論を死ぬまで認めることができなかったアインシュタインと同じ心境なのだと考えると、吉川先生が若き日に考えていたマクロ経済学の姿と今の経済学の姿が違うことに不満をもっておられるのかもしれない。
まぁ、ともかく所詮年寄りの戯言なので聞き流すのがよいのだろう。RBC以後の展開に関しては、今話題沸騰の加藤涼著「現代マクロ経済学講義―動学的一般均衡モデル入門」に詳しい。
多かれ少なかれ歳を取るとみんなこんなことを言い始める傾向にはあるわけだが、もし山形浩生が歳をとっておかしなことを言い始めたら人間の性だと結論付けてもよいのではないかと考える次第。
- 作者: 加藤涼
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