歳はとりたくないねぇ

吉川洋・東大教授が、週刊東洋経済に書いている。

http://d.hatena.ne.jp/yumyum2/20081015/p4

自分が人生を捧げてきた学問体系を「現実から遊離した」と腐す態度は、どういう思いから発せられるのだろう。本来自分が成し遂げるつもりだった理論体系の構築ができなかったことに対する不満からなのか、それとも最新の理論に追いつけなくなった自分の能力に対する嘆きなのか。量子論を死ぬまで認めることができなかったアインシュタインと同じ心境なのだと考えると、吉川先生が若き日に考えていたマクロ経済学の姿と今の経済学の姿が違うことに不満をもっておられるのかもしれない。

まぁ、ともかく所詮年寄りの戯言なので聞き流すのがよいのだろう。RBC以後の展開に関しては、今話題沸騰の加藤涼著「現代マクロ経済学講義―動学的一般均衡モデル入門」に詳しい。

多かれ少なかれ歳を取るとみんなこんなことを言い始める傾向にはあるわけだが、もし山形浩生が歳をとっておかしなことを言い始めたら人間の性だと結論付けてもよいのではないかと考える次第。

現代マクロ経済学講義―動学的一般均衡モデル入門

現代マクロ経済学講義―動学的一般均衡モデル入門