東谷ネタ

それと同じ意見である東谷氏の評価もやはり理があるわけでしょう。
東谷氏を完全否定はできないと思いますが。

その他にも「理がある」と感じる部分はあるので、東谷氏を完全に否定する

気にはなれません。もちろん、盲信もしませんが。

東谷の「エコノミストは信用できるか」の問題点なら大昔に書いた「ジャーナリストの誤謬」を参照していただけると幸い(どうでもいいが、話題が10年前からまったく進歩してないのは如何なものか)。

いや、個人的には同書は非常に面白かったし、バブル以前/以後とかIT革命以前/以後でまるっきり主張が変わっている輩などがはっきりとわかるという意味で良い本だと思うのだが、東谷自身の経済学的素養が無いことはやはり致命的。同書以降、きちんと学問的調査に踏み込んでくれるよう期待していたのだが、その後は著者の思い込みをベースとし調査もろくに行っていないように思われる内容も多く、トンデモ本と言っても過言でないものも多々ある。まさしく、ミイラ取りがミイラになってしまったようだ(期待していただけに残念でならない)。

佐野眞一の本を読んだときにもそう思ったが、きちんと調査とデータに基づくものは非常に読み応えもあり得るものも大きい一方、想像とか理屈などがはいると途端に素人の思いつきレベルの話になってしまう。優れたジャーナリストの著作であっても、それが事実の延長線上にあるのか、空想の産物なのかはわけて捉えた方がよい。例えば、問題点の指摘は正しいかもしれないが、その解決策が提示されていたならば、眉唾の可能性が高い。やはり、本職の領分というのはあるということなのだろう。

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