本当に人々が求める交通手段とはどれなのだろう

「壊滅的な打撃になる」−。民主党政権が掲げる高速道路の原則無料化に対し、フェリー業界が怒りの声を上げている。それでなくとも今春から地方圏でマイカーが土日・祝日に「千円乗り放題」になったことで需要が急減。多額の税金投入で平日も、トラックも無料となればフェリーに対抗の術はない。「企業努力とは関係なく、税金に駆逐された最初の産業になってしまう」とフェリー業界は危機感を募らせている。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/091108/biz0911081802002-n1.htm

経済学的には補助金投入しなきゃ生き残れないような産業は潰れるしかない。

高速の千円乗り放題というトピックは、そもそもの話から言えば、国民に約束した高速無料化がなぜいつまで経っても実現できないんだ、というどちらかと言えば政治的な問題として実施されたと記憶している。しかし、実施して明らかになったのは、国民は自動車という交通手段に対し意外と高い選好を示しているということである。

フェリーは、寝てる間に移動できる乗っているだけで楽しめることもあり、個人的には好きな乗り物だが、時間がかかりすぎてとてもではないが長期休暇がとれない日本の労働者には実用的とは言いがたい。日本にもバカンスが根付けば状況も変わるかもしれないけれど、少なくとも現状は違う。

正直なところ、自家用車、旅客機、新幹線、長距離バス、フェリーと数ある手段の中で補助金を全廃した場合、どこが生き残るか非常に興味がある。生き残ったところが国民が実際に利用したい交通機関ということである。フェリーと長距離バスは亡びるかもしれないが、自家用車、旅客機、新幹線の割合はどうなるだろうか。それとも単純に移動する人が減るのだろうか。