グインサーガ129巻「運命の子」を読む
とうとう、完成しているものとしては最期となる129巻になってしまった。死ぬ間際に書いたのだから、もっと悲壮感あふれる文章になっているかと思いきや、いつも通りのグイン・サーガでとても辞世の作とは思えない。
(以下、ネタばれあり。要注意)
まぁ、やっと外伝1巻に追いついた、ってことを考えると、ある意味キリがよいという感がなくもないけどねぇ。外伝1巻をリアルタイムで読んでた人で、これが最終巻の話になると誰が想像したであろうか(w
ヤガ編はわりあい話としては面白く、だんだんと盛り上がりつつあったのだが、この巻でとうとう黒幕が「ヤンダル・ゾック」であることが判明してしまった。この期に及んでまたそれですか、という感もあり、気持ち的には諦めやすいのでちょうどよかったという考え方もあるが……うーむ。
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- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/10/10
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心の底から怒りが沸いてくる
せっかく歳をとったのだから、
大きく強くないものの豊か。 - ダーリンコラム - ほぼ日刊イトイ新聞
ぼくも「成長しないものの豊かさ」について、
たくさん考えて、遊んで、
厄年になったばかりの資本主義に対して、
「心配することはないよ」とかね、
教えてやりたいような気がするよ。
不況に苦しめられている若者世代の気持ちを理解できない耄碌した老人世代には本当に怒りを覚える。そんなに成長が嫌なら農園でも作ってさっさと隠居すればいいのだ。