このまえJPEG特許問題が持ち上がったばかりだが(日本ではこの特許は却下されたので問題ないです)、こんどは東宝が〜zillaとついたサイトに使用をやめるように手紙を送ったとかでMozillaどうすんべという議論になってる。
最近、この手の権利関係の不毛な問題がよく起こるようになった。WinMX問題とかもあるので、そろそろ社会的にも改正論議が起こりそうな気もするが、経済学者とかアナリストとかが「これからは権利ビジネス」だと煽ってくれたおかげでさらに問題が大きくなるんではないかと心配だ。
世の中で煽られているものがうまくいかないのは、土地神話やネットバブルといった前例で散々わかったと思うのだが、結局のところ本質が伴わないと成功などしないのである。この権利ビジネスもたぶん同じで、やたらめったら権利を行使したところでタカラのギコネコ騒動やらHPのセキュリティホール騒動MicrosoftのLindows裁判のように企業にとっては不利にしか働かない。(GIFの問題だって、UNISYSが手に入れた特許料がどれほどだったのかを調べないと、受けた悪評に対して得になったかどうかは怪しげ)
基本的に、この手の問題を考えるときに重要になるのは「その行為が企業にとってプラスになるかマイナスになるか」であって正しいとか権利があるからではない。(実際、裁判に持ち込む場合、被告側の行為が原告側に対しどのような被害を与えたのか実証する必要がある)
最近、講談社のサイトに著作権・画像使用等に関するお願いという文章が出てファンサイト等でどうしようという話になっていたようだが、講談社の行為は次の点で間違いであると言える。
まず第一に、そもそも著作権法で一次・二次問わず著作者には好き勝手できる権利が与えられている。ようするに、こんな文書を出す必要がそもそもなく、困ったコンテンツがあるのなら警告するなり裁判に訴えるなりすればよい。
第二に、第一のような権利が明記されているにも関わらず、そのような文書を公のものとして出すと言うことは「これから徹底的に権利を行使するぞ、ゴラァ」と言いたいと受け取られる。講談社はそのつもりであるのかもしれないが、少なくとも日本においてはファンやマニアによって市場が支えられており、これらのファンに圧力を与えることによって損益が発生することが考えられる。少なくとも、こんな個々人の集団に圧力を与えたところで何らかの利益が発生するとは思えない。
どうせ権利を行使するなら(私は望まないが)バンダイがモデル関係でやっているように同人誌を出す権利を与える代わりに、会費やら口出しやらをする方が良い手法であると言えるだろう。



まあ個人的見解を言わして頂ければ、同人活動なんてのはそもそも後ろ暗いもんなんだから、ちょっとした法律違反くらいする覚悟はあってもいいんじゃないとか思うのだが……ダメ?