映画「戦艦ポチョムキン」を観る。昔の映画の中ではかなり有名な映画なのだが、今見ると単なる共産党の宣伝映画に見えてしょうがない。まあ、もちろんこれは言いがかりで当時を考えれば共産主義というのは労働者の地位向上を目指す社会運動だったわけで、今で言う反戦映画みたいなものと受け取るべきなのだろう。再生するといきなり淀川長春がベタボメしてくれるわけだけど、そういうわけで今見てもあんまり面白いもんじゃないですなあ。



最近、経済学を学び始めた関係で共産主義のこともつらつらと考えていたりするのだけれど、ようするに共産主義ってのは天動説みたいなものなんだろうと思うようになった。天動説も共産主義の唱える「一部の資本家が労働者を食い物にしている」という世界観も人間の主観に頼った常識に則すとどちらも正しいように見える。人間から見たら地球が回ってると考える方が異常に見えるし、世のほとんどを占める労働者から見たら働きもしない資本家ばかりが金を持っているようにみえる。しかし結局のところ「地球はそれでも回っている」だったわけだ。
マルクス経済学は主流派経済学と違ってパラダイスの存在を約束してくれているが、残念ながら「世界」はそのようには造られてはいなかった。どんな美辞麗句を駆使しても、不可能を可能と言うことに意味はないのである。社会運動としての共産主義に意義はあっても、科学としてのマルクス経済学は歴史の中の一ページにしまっておくが寛容でしょうな。