山形浩生勝手に広報部にて、山形浩生によるイノセンス評が載ってた。


みたー。とってもうっとうしい映画で、あのくだらんかっこつけた引用を1/10に減らすところからはじめなさーい、という感じ。あと、cg駆使した背景と、アニメのキャラの粒度の落差が大きくてすごく違和感があるとか、ロクス・ソルス社の本社やその周辺のお祭りがまったく無意味で、そことお屋敷とその後の船との関係がまるで説明不足とか、あと、ラストの人形を思わせぶりにしようとして、ぜんぜんうまく行ってないところとか(これはアヴァロンでもそうだったけど)、文句ありあり。伏線の張りかたもヘタだし、結局途中まで大きくしてた話を、最後のオチの付け方ですごくつまんないところにまとめちゃってるとか。

……というところで不安になって、フィリピンで買ったのに見ていなかった甲殻機動隊のVCDを見てみたんだけれど、こっちはそういう不自然さがまったくないし、いいできです。

ただそれでも、全否定じゃなくて救いどころは結構あるのがアレだが。

うーむ、恐ろしく的確な評だ。とはいえ、個人的には山形浩生が「全否定じゃなくて救いどころは結構あるのがアレだが」と書いているのが信じられない。あの映画、テーマは古臭いし、新しい観念を提示しているわけでもない。演出的にはいくつか観るべき点があるにせよ、山形的に「救いがある」部分があるようには思えなかったんだがなぁ。私が見逃しているのかもしれん。今後の発言にちょっとだけ注目。

#ちなみに「甲殻機動隊」には速攻お約束のツッコミが入ってました。


引き続きグインを読み進めているのだが、ヤンダル・ゾック編が面白くて手持ちの80巻まで読み進めてしまった。うーむ、グインでジャンプ漫画的展開が起こるとは思わなかった(笑)
どう考えても当初絶対に想定していなかった伏線とか、余りにも強力すぎる敵を前に現れるこれまた強力なキャラクターとか、毎巻必ず引きがあるとか、これをジャンプ漫画と言わずしてどうするよ。
しかしなんだ。あと20巻残した段階で「あと20巻で終わりそうもないことが確定」なんて台詞、世界広しといえども栗本しかできん発言だよなぁ。ナリスが死んでから、実は生きてましたとわかるまで、まるまる一冊挟むなんて普通の小説じゃ絶対できない荒業だ(←てゆうか、このネタ何度目だ?)。
栗本は人非人だとかキチガイだというのはその通りだとしても、その小説力(しょうせつぢから)のすごさは十分誇るに値すると私なんぞは思うのだが。