岩田規久男著「日本経済を学ぶ」を読む

リフレ派重鎮の岩菊先生の新刊「日本経済を学ぶ (ちくま新書)」を買ってきて読んだ。いや、これは正に良書。戦後以降の近代日本にまつわる様々な誤解を解きながらも、難しい記述を抑えすんなりと理解できる読み物になっている。リフレ派の本はなにかとリフレしろ〜リフレしろ〜とうるさいので、逆に客離れを起こすんじゃないかといつも心配するのだが、この本に関してはすんなり受け入れてもらえるだろう。

あえて注文をつけるとしたら、もう少し各話の時代背景がわかるように書いてくれるとうれしかった。まぁ、ページ数の限られている新書という形態を考えれば無いものねだりなのかもしれないが。

そういえば、これから経済学について知りたいというのであれば、元重センセの「はじめての経済学」とこの本を合わせて読むよう薦めるのがよいのではないかなどと思った。経済学の基本的な考え方と日本経済への応用法ということでお互い良い感じで補完しあっているように思う。この両方を読めば、基礎を学びながらも官僚やマスコミご用達エコノミスト達がいかに経済学に基づかない神話を作りデマを広げてきたかということがわかるはずだ。

日本経済を学ぶ (ちくま新書)

日本経済を学ぶ (ちくま新書)