経済学で考える日本のIT再生計画(その5)

あー、もう金曜日なんですが。

時間もないので、とってつけたように3番目に移る。3番目の問題は「国内企業の収益が回復しているのにもかかわらず,ユーザー企業のIT投資が増えない理由は何か」である。

[ANSWER]
1) 収益が回復したといってもたかがしれている(GDPだって地を這うような数字だぞ)
2) 投資において重要なのは、将来期待である。だが、現状にはまだ不透明感がある

ついでにいえば、ユーザー企業のIT投資が増えてない……なんてことは私の知る限りでは全然ないんだが。先日紹介したJISAの統計資料をみても平成17年9月の売上高は前年同月比で4.6%の増加となっている。

次は4番目、「IT業界を盛り上げるためどのような国策や教育改革が必要か」であるが、基本的にはそのような国策や教育改革などする必要などない。経済学の教えるところによれば、過去に成功した産業政策など存在しない。必要もないのに公共事業でIT業界に利権を与えたりすれば、たちまち現在の土建屋さんのように過剰な参入が起こってしまうし、甘やかしたことにより生産性の向上も鈍ってしまうかもしれない。放っておいても、そこに市場がある(すなわち需要が存在する)限り業界は潤うのである。しかしながら、本来あるべき需要が何らかの理由で低くとどまってしまうということもあり得る。そのような場合にこそ政府は財政・金融政策によって対策をとるべきであるし、正しい国策のあり方である。ようするにリフレ汁!っちゅうことですな←相変わらず、結論は同じですな(藁)

[2005/12/10 追記]
いちおう、ITProに提出しましたが、2時間ほどオーバーしてしまったので、読まれるかも不明。途中でうたた寝しなけりゃ間に合ったのに(悲……って俺ダメじゃん)