自由のお値段

ベッカー教授、ポズナー判事のブログで学ぶ経済学」という本が出ていたので、今読んでいるのだがこんな面白い記述があった。

ジョン・F・O・ビルソンが「市民的自由――計量経済学的分析("Civil Liberty: An Economitric Investigation", Kyklos, 1982)」という論文で、次のように説明している。

「自由に関する筋のとおった理論は、ほとんどすべて自由と実質所得との間にプラスの相関があることを予測するのであろう。需要という面から見ると、自由は一つのぜいたく品と考えられるので、自由を獲得するために個人が費やす資源は、一人当たり実質所得が高くなるほど大きくなろう。供給面から見ると、豊かな人を抑圧するためには、貧乏な人を抑圧する場合に比べて、明らかにより大きな費用を必要とする。また豊かな人を抑圧する必要性そのものも、おそらく比較的小さいであろう」

こういう視点で考えれば自由なんて以下略だよなぁ。少なくとも社会学者とか哲学者とかが自由についてあーだこーだ言っている内容よりは有意義だと思う。というより、自由とは何かを考えるより先に、みんなが自由になる方法=実質所得を向上させる方法を考えようってこった。