竹森俊平著「国際経済学 (プログレッシブ経済学シリーズ)」を読み始める
やはり地道にやらねばならぬと、初心に戻って国際経済学の教科書を読み始める。ローマーの上級マクロもそうだったが、経済学的な説明方法というのはさんざん説明しておいて「実証だとうまくいかないよん」という、上げて落とすパターンが多いような。いや、そこら辺に経済学者の性格の悪さが(以下略)。
閑話休題。国際経済学と通常のミクロ経済学の違いは、生産要素が移動可能かどうかである。なるほど納得。スティグリッツにも書いてあったかもしれないが、もうすっかり忘れている。
以前から比較優位の実証研究との絡みがどうなっているのか知りたかったのだが、比較優位の考え方は概ね成り立つし、ヘクシャー・オリーンモデル*1を独占競争に基づき拡張したものだと実証ときちんと整合性ある結果が得られるというのがわかって良かった。
そういえば、本書の戦略的通商政策の議論を読んで思ったが、相手に損失を与え自分に利益をもたらすような政策は当然同様の手法で逆襲を仕掛けられる。人生にしろ国家にしろ繰り返しゲームだから、だまし討ちも長期的には成立しない。やはり、基本的にはWin-Winでいかにゃあいかんのよね。
マンデル・フレミングモデルが載ってないのは残念だが、せっかくなのでリカードモデルとヘクシャー・オリーンモデルをきちんと追って理解することにしよう。
*1:富野のアニメに出てきそうな名前だ。