ホワイトカラー・エグゼンプションの経済学的説明

『規制をはずした結果、賃金率が低下するなら、規制によって均衡価格からはずれていたのが均衡するんだから、厚生向上。』

(「導入後は賃金率が下がる → 価格規制があった」の対偶を取ると)『今の制度が、余計な価格規制でないなら規制をはずしても賃金率は低下しない。すなわちサービス残業もそれほど増えない。』 ってことね。

賃金が下がらないのはその通りだが、サービス残業が増えないか(賃金率が下がらないか)は自明ではないのではないかなぁ。雇用者は同じ賃金なら長時間労働させるインセンティブがある。その逆に被雇用者は余分な長時間労働をしないインセンティブがある。理想的には対等なので問題ないが、雇用者の立場は被雇用者より高い(これは、最低賃金の逆説でも上げられる点である)場合には雇用者は長く働かせることで超過利潤を得ることができる。法律により残業代規制があることにより雇用者の立場は弱くなり超過利潤は雇用者から被雇用者に戻ることになる。

また、失業と同じく長時間労働による履歴効果も問題となる。

こんな説明ではダメだろうか。