人間は現金か?
人間は現金とは明確に異なる物質であるのでもちろん否である……という話題ではなくて、インセンティブの話題。
ドイツの高速道路、速く走るのはお金持ち=調査
前者はまさに機会費用のお話.後者は機会費用と奢侈品の所得弾力性の話かな. 寺井さん&村松さんとの共同研究で,シートベルトのオフセッティング仮説*1を研究したときにも感じたことですが……人間って想像以上に現金.
* 収入が多いほどスピードを出す傾向がある
* (収入が多いドライバーは)燃費や環境汚染への関心も低い
http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20070228#p1
こういう話題は経済学の十八番な訳ですが、「人間って想像以上に現金」というのはちょっと違うんじゃないかなぁ、と思ったので書いてみる。
「人間って想像以上に現金」という言葉を聞くと、人間⇒金銭的なインセンティブに強く反応するというように聞こえる。でも実際には、人間は本質的にスピード狂で環境への関心が低いのだが、現実社会の持つ制約によってインセンティブが発生するためスピードを出さず環境への関心を向けるということなのではないかろうか。
金銭的な制約が大きい人は金銭が大きな関心事であるが故にスピードを制限するだろう。しかし、例えば「助手席に乗っているのが知人の息子」という状況であれば金持ちであっても別の理由でスピードを制限するだろう。
人間が現金なのではなく、現金に関心のある人間がいると言うべきなのである(もちろん、そういう人がいっぱいいることは否定しないけどね)。